FC2ブログ

車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

未分類ご挨拶作業実例業界近況プライベート作業実例 塗装工場経営思考
2018.07.25 Wed
 中部車協連の会合にオブザーバー参加して、「自研指数の見直し」というテーマで、話をさせてもらいました。最初はパワポで資料をと考えましたが、アジアンの分析に時間を取られ過ぎ、断念しました。代わりにPDFソフトで配布資料だけ作り、後はトークです。目指すイメージは、池上彰先生。初対面の方々を相手に限られた時間でしたが、必要な事は概ね伝わったと思います。

 持ち時間の半分を、自研指数の抱える問題点に費やしました。その理由は、ミッチェルの分析が進むに連れ、最終的には、公平公正な計測とは何かという問題に戻ってくることが分かってきたからです。自研指数とミッチェルでは、根本的な思想に違いがあります。単純に数値を比較するだけでは、たいした意味がありません。プレゼンの一部ですが、原稿を公開します。業界関係者全員で考えてもらいたいです。

・・・・・

指数の問題点 

 車の修理では、様々な作業をおこないます。作業の始まりがスタート、終わりがゴール。スタートとゴールの間には、時間が流れています。自研センター固有の計測システムで、この時間を測ります。計測されたものが標準作業時間。別名が指数です。

 計測時に注意すべき点が、2つあります。1つは時計を変えない。常に同じ時計を使います。もう1つは、スタートの位置を変えない。マラソンでは選手全員、同じスタートラインから走ります。自分勝手に好きな所から走り出す方が混じっていれば、それは競技としては無効です。計測作業も同じで、必ず同じ状態から計ります。マラソンのように物理的なラインは引けせんから、代わりにスタート位置に対して、条件設定をおこないます。これが標準作業条件です。指数の標準作業条件は、計測の始まりを定めるものと捉えてください。

 標準作業条件は6つあります。作業者・工場・車両・作業工程・使用部品・作業速度。この中に1つだけ、異質なものが混じっています。作業者です。何故、異質かと言いますと、他の5つは簡単に数値化できます。再現も可能です。同じ設備の工場、同じ車、同じ作業工程、同じ部品。作業速度は、手を動かす速度、歩く速度、秒速何メートルと定める。しかし作業者は、どうでしょう。

 初期の指数テーブルマニュアルでは、標準作業者を、3年経験程度の技能を持った者と定義しました。3年経験程度の技能とは、具体的には、どのようなレベルの技能でしょうか。技能職の個人差は激しいです。3年で技能五輪に出場する素晴らしい方もいれば、バンパー脱着すら不安な方も混じっています。野球に例えれば1軍も2軍も、メジャーもノンプロも、同じ野球で飯を食っているから同格。ダルビッシュや大谷でも標準です。

 標準作業者はイメージであり、実態がありません。私達の頭の中にある標準作業者は、一人一人が異なっています。簡単に1つの数値には置き換えられませんし、標準作業者が関わる作業の正確な再現もできません。標準作業条件の中に数値化できない部分があれば、スタートの位置に影響が出ます。従来は私も含め全員が、ある特定の点から、計測は始まると考えていました。でも実際は、ある一定範囲内のどこからか、計測は始まります。範囲内の前から始めるのか後から始めるのか、スタートの位置によって、当然、計測時間も変わってきます。

 指数値は、先ず標準作業条件を設定しスタート位置を定める。そこから計測をおこない、実測データーを出す。実測データーを基に、基表と呼ぶ一連の工数表を作る。基表を基に指数値を作成するという流れで作られています。最初の標準作業条件が定まっていないのに、最後の指数値が合っているのかと、疑問が湧きます。しかしスタート位置が定まらない状態では、確かめるすべもありません。検証作業を行っても、範囲内の前から測れば正しい、後から測れば間違っているという、相反する結果が同時に出ます。

 論理的に突き詰めていくと、自研指数は正しいとは言えないが間違っているとも言えない。検証すらできないという不可解な数値です。この訳の分からない数値で、我々の請求料金の大半が決まることは、業界にとって大きな問題と捉えています。この現状を踏まえた上で始めたのが、別の料金基準との比較です。

 アメリカには保険会社にも修理工場にも属さない第三者の立場で、整備工数データーを作成し販売する民間会社が幾つもあります。そのような会社の中で、ミッチェル社は最大手です。創業も1946年と古いです。ミッチェルにはアジアンという、日本車を対象に含むデーターブックがあります。トヨタのカムリ等、日米双方で市販されている車種の工数が掲載されています。自研指数とミッチェルでは、計測方法や作業の前提条件等、幾つかの点で違いがあります。一概に同列に比べることはできませんが、自研指数の正否に対する、客観的な目安にはなります。同一車種の同一作業で比較すると、実際どうなのか。

・・・・・
今日はここまです。続く


FC2ブログランキング参加中ポッチィしてください。よろしくお願いします



スポンサーサイト
管理者にだけ表示を許可する

TrackBackURL
→ http://bwalpha.blog122.fc2.com/tb.php/459-8fdfa279
Template by まるぼろらいと