車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2018.05.09 Wed
 「標準作業者が標準工場で標準車両を標準作業工程で、標準部品を使用し、標準作業速度で修理作業した場合の正味時間。これに準備時間や余裕時間を考慮して、作業単位毎に作成された標準作業時間」と、このように自研指数は定義されています。計測時の前提として、6つの標準条件が定められています。ここに秘密が隠されています。

 標準工場、標準車両、標準作業工程、標準部品、標準作業速度、これら全てに実態があります。しかし標準作業者だけは単なる概念(イメージ)であり、実態がありません。実態が無いという意味合いは、数値化できないし、正確な再現もできないということです。 

 自研指数においての標準作業者は、「脱着取替作業、外板鈑金修正作業、内板骨格修正作業は実務経験3年程度、メカニカル作業は3級整備士程度の技能を持った者を、補修塗装作業は実務経験5年程度または金属塗装技能検定2級程度の技能を持った者」と定義されています。一括りに実務経験3年といっても、技能五輪出場を目指すような凄いのもいれば、箸にも棒にも掛からないのもいます。標準作業者の技術は、どのレベルなのか。数値化できないとしたら、もう自己申告で認定するしかありません。私が標準作業者ですと言えば、その方が標準作業者です。

 作業者の技術レベルは、計測時間に多大な影響を与えます。例えば指数値3.00のフロントドア取替作業で、リペゾウが作業者で時間計測すれば、たぶん設定数値内で終わりますしかし業界と無関係の素人さんの作業者で時間計測すれば、丸一日掛けても終わらないはずです。つまり作業者の技術レベルの設定を変更すれば、計測者の意図する方向に数値を動かすことが可能です。自研指数に関しての膨大な検証作業が実施されていますが、根幹である標準作業者自体の検証がなされていないとしたら、全てが無意味となります。参考数値以上の価値はありません。

 自研センターで指数値作成に関わった作業者の技術レベルは、相当に高いと推測します。そう考える理由を説明します。仮に全国から無作為に100名の、実務3年経験の整備資格保有者を集めます。彼らに数種類の作業を与え、指数値内で作業完了できるかどうかの実測試験をおこないます。標準作業者に相応しいかどうかの試験です。3人合格したら凄いと思います。現場から見て指数値は、そのくらい厳しい数値です。標準という言葉を使っていますが、実は選抜されたエリート。マーベルのヒーロー。これが自研指数標準作業者の実態です。
 
 ミッチェルデーターブックの作業者は、どこにでもいる普通レベルの作業者です。たぶん実測の平均値を採用していると推測します。実態のあるデーターベースから導かれた数値なら、客観的公平性が保たれます。指数値がミッチェルデーターブックの半分になる理由は、計測時の作業者の技術レベルが異なっているからです。そう考えると、全ての辻褄が合います。普通の作業者を対象に作成したのがミッチェルデーターブックで、選抜したプロフェッショナル作業者を対象に作成したのが自研指数です。ある意味、どちらも正しいわけです。

 日整連発行の自動車整備標準作業点数表(整備工数)と自研指数の数値差も、計測時の作業者の技術レベルが異なっていると考えれば理解できます。先ほどまで見積していた車のエンジン脱着の指数値は4.50で、整備工数では7.50です。整備工数の方がミッチェルに近く、修理現場の実情にも合っています。自研指数だけを見ていると気づきませんが、ミッチェルや整備工数と比較検証することで、自研指数の特異性が際立ってきます。
 
 プロフェッショナル対応の厳しい基準数値を採用し、レートはサンデーメカニックに毛の生えた程度に抑える。カラクリは単純だけど、効果的です。嘘もついていません。標準作業者の具体的な技術レベルに関しては、文中では一切触れていません。読んだ側で勝手に、このレベルと妄想したわけです。更に年数が経ってくると、3年経験で指数値内で作業完了できなければ未熟だと言う、御用ポチが次々と現れてきます。これは最初に数値ありきですから、いつの間にか、考える順番が逆になっています。

 計測結果を左右する最大要因は、作業者の技術レベルですが、みごとに視点を逸らされました。このカラクリを考えた奴は凄いです。半世紀近く気づかれなかったわけでしょ業界全体で自研指数という虚構の中に浸りきって、壮大な詐欺にあった感じです。でも買い手側主導で料金体系の基準を作らせれば、こういう結果になるのは必然とも言えます。今日の事態の責任は、料金体系の基準を他人任せにしてきた、我々鈑金塗装業界側にあるのは明白ですし今さら怒ってもしょうがないですわ。真剣に考えるべきは、これからどうするかです。

続く

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