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車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2018.05.16 Wed
 ここにきて、ミッチェルに関する情報が集まりだしました。先週までのブログの内容を、思考経路に沿って纏めていきます。

 先ずミッチェルデーターブック(ミッチェル)と自研参考指数(指数)の数値差に、疑問を感じるところから始まりました。同一車種の同一作業で、2倍前後の数値差が発生する理由を考えました。ミッチェルは実測の平均値です。ある作業を始めてから終了するまでの実測ですから、作業中に汗を拭いたりトイレに行ったり、場合によっては電話で与太話をしている時間も含まれている可能性があります。計測時間全体の中で、主体作業以外に費やす時間の割合は不明です。仮に余裕率50%で半分遊んでいるとすれば、1時間内の正味作業時間は30分です。

 指数の場合は、1時間内の正味作業時間は40分と決まっています。残り20分のうち8分が準備時間で、12分は余裕時間です。双方の正味作業時間を比べると、ミッチェル30分で指数40分です。となれば同一作業で正味作業時間が同し結果だった場合には、ミッチェルでは指数の1.33倍の数値が記載されます。現実は概ね倍ですから、そこから逆算すると、ミッチェルの正味作業時間は20分となります。作業計測でビデオ撮りされている状況下で、60分のうち20分しか主体作業していないというのは、常識的に考えて異常です。

 となれば、倍の数値差が発生する原因は、他にあると考える方が自然です。計測時の作業者の技術レベルの差が数値差として現れると考えれば、全ての辻褄が合ってきます。では具体的に、作業者の技術レベルの差は如何ほどなのか。ミッチェルが普通の作業者ということは分かっています。指数は、自研センターが標準作業者と呼ぶ作業者です。標準作業者とは、どのような作業者かを考えていくうちに、業界の常識を根底から覆す結論に達しました。

  1. 自研指数作成時の前提として定められている6つの標準条件の中で、標準作業者だけは単なる概念(イメージ)であり実態が無い。実態が無いから数値化できないし、標準作業者の関わる作業の正確な再現もできない。

  2. 故に自研指数の正確な検証作業は不可能であり、指数値が本当に正しいかどうかは誰にも分からない。

  3. 作業者の技術レベルは、計測数値に大きな影響を与える。作業者の技術レベルを意図的に変えれば、計測者の望む方向に計測数値を動かす事も可能である。第三者を交えずに、自研センター関係者だけで作成された指数値の公正には疑問が生じる。

  4. ミッチェルデーターブック及び日整連整備工数と自研指数を比較検証して、同一車種で同一作業した場合の数値差の激しさから、自研指数作成時の作業者の技術レベル設定だけが、他の基準よりも飛びぬけて高いと推測される。

  5. 修理現場の実情から乖離した設定から導かれた数値は、理想値である。正確な検証作業もできない状態では、信憑性も薄いと言わざるをえない。修理現場の料金体系の基準として、現状のままの自研指数を使用するのは不適切と考える。

 以上がリペゾウの結論です。いつの間にかミッチェルが、脇役になってしましました。標準作業者に実態があるのかどうか、こちらの方が遥かに大きな問題です。指数計測時の前提である標準条件に実態が無いとしたら、指数値は公正明朗であるという損保側の主張が、根底から崩れ落ちます。リペゾウも最初はショックで茫然自失ですよ。もし反論できる方がいるなら、ぜひコメントください。一字一句違えずに掲載します。

 現状の自研指数と指数対応単価に依る料金体系は、自動車鈑金塗装業界の犠牲の上に成り立っています。修理現場で努力して、作業者の技量を高めたり資格取得させたりしても、それがストレートな収入増には繋がりません。かなり低いレベルで、頭打ちとなります。試しに現行の指数方式と指数対応単価から逆算する形で、作業者一人辺りの年間工賃売上を算出します。前提条件は下記です。
  1. 理想的な標準作業者がいる。
  2. 遅刻や早退、欠勤はしない。
  3. 就労時間内は脇目もふらずに、黙々と作業する。
  4. 作業スピードは指数1.0と決められた作業を、確実に1.0でこなす。
  5. 作業精度は高レベルで安定しており、やり直しは無い。
  6. 勤務する工場は高レベルの作業管理が為されており、現場作業者の稼働率は70%とする。
  7. 年間総労働時間は、仮に2000時間とする。
  8. 指数対応単価は、仮に¥6500-とする。   
 人間というよりもロボットに近い標準作業者が、ハイレベルの工場で、仕事があり続ける状態の中で、1年間働き続けた結果の工賃売上は、¥6500-×2000時間×70%=910万円です。レス率ゼロで満額貰っても、910万円の工賃しか稼げません。仮に労働分配率40%とすれば、作業者の年収は364万円です。国家資格を保有し、普通の人ができない仕事をするにしては、あまりにも安いです。

 鈑金工場の経営者だって、けして楽ではありません。仕事量自体が減少していく中で、車の構造が大きく変わる変革期を迎え、それに対応する新たな設備投資が必要です。従業員への継続的な教育や資格の取得促進にも配慮しなければ、次の世代が育ちません。他業種並みに年収も引き上げなければ、今いる従業員も去っていきます。そういう切羽詰まった状況下で、経営の根幹となる料金体系の基準が間違っているとしたらもうやりようがないっすよ。

続く

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