車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

未分類ご挨拶作業実例業界近況プライベート作業実例 塗装工場経営思考
2015.06.10 Wed
 フレーム修正で完璧な寸法出しをした筈なのに、リセット後の建付け調整に時間が掛かる場合があります。今の車はポン付けドンピシャで、建付け調整に時間が掛かる事自体、問題があります。原因の大半は、取付側骨格部位の寸法の狂いです。修正機にセットされた時点での寸法出しは完璧でも、リセット後に再び狂ってしまう。原因の大半は、残留応力です。

 1本の真直ぐな鉄棒を想像します。水平に置いて、片側を固定します。もう片側から、徐々に押し込んでいきます。アール状に撓んできます。押込む力を抜けば、元の真直ぐな鉄棒に戻ります。しかし押込む力を強めていくと、弾性限界を超えた時点で、形状が戻らなくなります。座屈しないまでも、撓んだアール状のまま固定されます。これが事故時の車の状態です。

 フレーム修正機にセットして、プラスマイナスゼロの正規寸法まで引き戻します。見た目は真直ぐに戻りますが、鉄棒内部には、応力が残っています。これが修正機上で、寸法出しされた状態です。引く力を抜けば、アール状に撓ませようとします。俗に言われる、スプリングバックです。リセット後に狂いを再現させない為には、正規寸法を出した段階で、修正機上での、残留応力を抜く作業が必要です。フレーム修正の基礎から学んだ方には、当然の話です。

 コンフォート 側面面引き (2) この状態で、残留応力を殺します。

 元来の欧米流カット&ビルドでは、鋼板が破断される状態まで一気に引きます。ゼロ点以上に引く事によって、残留応力を抜きます。その後で再度の計測作業をして、正規寸法が出ている部分を残して切断します。代わりに新品部品を溶接して、組み上げたら終了です。この手法は合理的ですが、日本の職人さんは嫌がります。できるだけ骨格部位を残そうとしますが、残留応力を抜く事が難しくなり、技術的難易度が上がります。

 自研センターニュースの作業実例を見ていると、さもない骨格損傷でもカット交換し、新品溶接しての修理です。これは作業者の技術レベルの問題ではなく、保証までを考慮したうえでの、合理的な作業方法の選択の結果です。職人目線からすると面白味が無いですが、車両構造や素材の変化を考えれば、仕方ないかなぁ
 


FC2ブログランキング参加中ポッチィしてください。よろしくお願いします

   

スポンサーサイト
テーマ:修理 - ジャンル:車・バイク
作業実例    Comment(0)  TrackBack(0)   Top↑
管理者にだけ表示を許可する

TrackBackURL
→ http://bwalpha.blog122.fc2.com/tb.php/280-651140dd
Template by まるぼろらいと