車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2014.01.15 Wed
 昨年の思考の続きです。自分の場合は、書きながら考えを纏めます。書き進むうちに気づきが発生し、漠然としたモヤモヤが形になる、そんな感じ。このシリーズは、気が乗った時だけ、不定期に書き続けていきますので、宜しくお願いします。

 では3の保険制度への認識です。保険適用での事故車修理時、立場の異なる者が関わります。大別して、車両ユーザー、修理業者(鈑金塗装業者)、損保会社の3者です。修理料金に関してだけでも、それぞれの思いは微妙にずれ、必ずしも一致しません。思いには個人差があり、状況に因っても変化します。ですから、代表的と思えるモデルケースで考えます。

車両ユーザー → 自己が満足できるレベルの現状復元を望む。自己負担ゼロか,最低限が当然と考える。

修理業者   → ユーザーの満足するレベルの現状復元を追及し、それに見合う修理料金は請求したい。

損保会社   → 客観的に適正な修理料金を、迅速に支払いたい。

 一般的な車両ユーザーが気にするのは仕上り具合であって、それに掛かる費用への関心は低いです。自分の懐からの出費とは違いますから、当然の対応です。年間数百件の保険修理を何十年もしてきましたが、一度も、「保険会社も大変だから、安くしてね。」と言われた事はありません。逆に、「値段は気にしないで、とにかく良い仕事をしてください。」「幾らでも請求していいから。」とかは、よく言われます。

 客商売では、こういうお客様は、凄く大切な存在です。だから「ありがとうございます。」と大きな声で返答しますが、この部分に関してはプロ・アマを問わず、勘違いしている方が多いように見受けられます。過去に参加した見積勉強会でも、講師から「保険修理時は、レートを幾らに引き上げるんですか?」と質問され、「同じに決まっている。同じだからこそ、堂々と請求できるし、理由無く引く必要もなくなる。」と返答した記憶があります。保険修理でも自腹修理でも、同一作業なら同一料金が当然です。

 リペゾウら修理業者(鈑金塗装業者)が先ず考える事は、如何にユーザー(顧客)を満足させるかです。高レベルの修復を望むなら、可能な限りの追求をします。ただ商売としてサービス業に従事してますから、それに見合う対価を請求します。貰える見込みがなければ、作業をしたくてもできません。余分に貰いたいわけではなく、やった分は欲しいと、単純にそれだけの話。問題なのは、このやった分だけの請求が、損保の考える〈客観的に適正な修理料金と、必ずしも一致しない事です。

 では損保の考える〈客観的に適正な修理料金〉とは、どういう料金を指すのかを考えます。適正というからには、何らかの基準(目安)が必要です。基準と比べて初めて、適正かどうかの判断が可能となります。現在の日本の鈑金塗装業界の国産車修理の分野で、基準となる代表的数値は自研指数です。他にも様々な数値がありますが、総合的な完成度や普及度から見ても、自研指数が断トツです。指数のルールに則って算出された修理料金、これが損保の考える適正料金ですこれに対して、リペゾウらが請求する料金は、個々の主観に基づく、個々にとっての適切な料金と表現できます。最初から双方にはギャップがあって、価格差が発生するのも当然と言えます。

 昨年の仲間との会話で、「医療関係での保険仕事って、最低の仕事だよね。」と言われた時に閃いた事は、そもそも保険で支払われる金額で、最高ランクの仕事をする必要があったのだろうか?です。長いことずーっと、業界の慣習として、保険修理をアッパーと捉えてきました。でも医療では最低料金しか支払わないのに、車両では最高料金を支払うの?年収300万円台の作業者が前提の、指数で算出される修理料金がアッパーなの?湧き上がる疑問の中で、自分なりに辿り着いたのが、次の結論です。

 一般的な保険制度は、ベースの部分を保証する事を前提にして成り立っている。だから保険治療では、金歯です。セラミック前提なら、大幅な保険料アップが必要です。事故車修理の場合も、美術品や工芸品並みの仕上り前提なら、大幅な保険料アップは免れません。修理価格の基準となる指数では、一定条件下での作業時間が基本。対応単価でも、付加価値は殆ど考慮されません。原価計算から、売価が決定します。故に、全国何処の工場で修理しても、同一の損傷範囲なら、価格差は僅少です。ベースの、最低限の支払いなら、価格差が無い方が理屈に合います。

 自由経済の中で、同業者間で競争をしています。ですから同じ金額なら、サービスが良くて仕上りレベルが高い工場に、仕事は集中するでしょう。お互いに切磋琢磨していく事には大賛成ですが、競争に歯止めが掛からず、行き過ぎてしまった感があります。医療業界と比べると、その差は歴然です。経営者としての意識レベルに、根本的な差があったのでしょうか。

続く


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