車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2013.02.27 Wed
 一冊の雑誌を紹介します。BRUTUS(ブルータス) No.748 (2013年02月01日発売)。スイーツがテーマです。取材姿勢に偏りが無く公平さを感じます。内容も、マニアが読んで納得できるし、スイーツ無縁の方が読んでも面白いと思います。スイーツ男子入門書としては、最適です。

 ブルータス 1 ブルータス 2

 スイーツは女性や子供のジャンルと誤解してる方も多いけど、単純な美味い不味いを超えて、スイーツは文化です。確固たる歴史と、共有される伝統があります。伝統への対峙の仕方により、パティシエの個性が現れます。古典を追求して伝統を守っていく方もあれば、古典を分解し再構築しようとする方もいます。外から見ていても、大変に面白い。

 調色する時、各色の原色特性を基に、頭の中でイメージを組立ます。例えば正面の青味を強くしながらスカシの赤味を抑えるには、どの原色をチョイスすべきかなんて思考してます。イメージが固まればトライして、思惑どうりに色が変化すると、嬉しくてたまらんです。これと同様の作業を、パティシエもします。各種材料の特性を研究し、その組み合わせをイメージしながら、自分の味を追求していきます。彼らの中身は、職人そのものです。

 特集記事の何人かに、過去にお会いした事があります。パッと見は普通のお兄ちゃんですが、楽しんで仕事をしてる事が一目で分かります。楽しいから頑張るのか、頑張ったから楽しいのか、卵と鶏の関係で、本人以外には分かりません。ただ人生のかなりの部分を仕事が占めますから、仕事を楽しめないとしたら損です。


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2013.02.20 Wed
 「仕上りレベルと請求料金」をテーマーに書き始めたら、今回まできてしまいました。止めようと思いつつも止まらない、心理の根底にあったのは怒りです。興味深かったのは、自分が怒りを表面に出して書き出すのに連動して、アクセス数が一気に増加しました。信じ難い話ですが、通常の倍近い状態が続きました。殆どが御同業と思いますが、怒りが怒りを呼込み、増幅していく感じです。何故か時空を超えて伝わるみたいです

 ブログを始めた時の約束事を破りました。もうここら辺で止めて、初心で出直そうかと思います。なによりも怒りを源泉にした行動では、本質的に何一つ変わらりません。対立を増幅させ、混乱を招き破壊を生むだけで、私自身にとっても業界にとっても、良い事は一つも無いです。今の鈑金業界の現況は、我々自身が作り出してきたもので、問題は自らの中にありますヾ(_ _*)ハンセイ・・・

 何十年も、日本中の鈑金工場も鈑金職人さんも、皆、同じ方向に向かって突き進んできました。周囲より良い仕事をしたい。その一心で設備投資もしてきました。その裏にある、代表的な精神構造は単純です。他社より良い仕事をする→沢山の良い仕事が集まる→儲かる。本当に儲かっていたのか?1000万の新規設備投資をしたら、最低でも年間150万以上の収益アップが必要です。1日8時間の労働時間内で、それだけのアップが見込めたのか?殆どの工場では、ガンガンと残業して稼いできました。時間換算すれば、技術の安売りです。

 バブルが弾けて、急速に仕事量が減少しました。全体のパイは、最盛期の6割弱くらい。誰もが仕事量を確保する為に、様々なチャレンジを続けてきました。並行してコストは上がり続けましたが、現場が残業し続ける程の仕事量は、なかなか確保できません。仮に仕事を集めても、経営者は労基の絡みで、残業させる事が難しくなっています。技術の安売りを、労働時間の延長で補ってきた業界ですが、もう残業で稼ぐ事には、意味が見いだせなくなってしまいました。

 これは単に一業種の問題ではなく、多くの業種が同様の状態です。従来と同量の仕事を、従来より少人数で、残業無しにやれと言われてる職場が多いです。喘いでいる大人を見れば、引き篭もりの若者が増えるのも当然かと思います。楽しくないですもん。多少の無理をしても問題を解決しようとする心の持ち方に、本当の問題の根源がある事は分かっているが難しいです。



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2013.02.13 Wed
 昔は各処に、名人と呼ばれる職人さんが居ました。私も駆け出しの頃は、そういう方を目標に頑張ってきました。邪魔にならないよう注意しながら、横で作業を見せてもらったのも、懐かしい思い出です。

 当時は何も教えてくれません。他社の人間に作業を見せるだけでも、最大の好意です。素晴しい仕上りだなぁなんて感嘆しながら見ていましたが、今現在なら、あのレベルの仕上りは、どこの工場でも可能です。材料も設備も工法も、全てが進化しました。平均的仕上りレベルは格段に上昇しましたが、修復料金は逆に下がりました。職人の年収も下がりました。何かが変です?

 世の中どんなものでも、ピンとキリがあります。良い物ほど値段が高いのが普通です。事故車の現状復元作業も、品質が高まれば、修理代も高まるのが正常な状態の筈。生産性が上がった分だけ、修理代が下がるのも当然という考えもありますが 、付加価値の上昇が全く考慮されていません

 品質の上昇を価格に転化できなかった要因の一つは、業界が生活者を見ずに、損保相手の価格交渉してきたからです。一部の高級車を除けば、基本的には車は実用品です。通常、実用品の復元作業は、工芸品や美術品並みの外観精度は要求されません。機能すべきところが機能していれば、何の不自由も無い筈です。保険対応の修理費は、その前提に拠って算出されているとしか思えません。

 試しに指数を使用して、レクサスLS600Hとアルトの塗装料金を算出します。条件はフード修理1/1、水性ベース、シルバー、ノン耐スリ、材料代割合14%、レート¥6500-です。レクサスが¥71300-、アルトが¥47500-です。両車の価格差を見れば、付加価値が殆ど考慮されていない事は歴然です。

 他の業種と照らし合わせると、ピンキリの価格差の僅少さが、より鮮明になります、回転寿司なら1貫100円ですが、普通のお寿司屋さんで1貫150円で食べれますか?何百円とかしません?店によっては1000円以上の請求をしてきます。付加価値の算出は、原価が幾ら?作業時間が何時間?とかいう次元だけとは違います。

 現状の一般的な鈑金工場の仕上り品質は、キャンペーン中の大特価みたいなものだと、個人的には思っています。生活者にとっては喜ばしい事ですが、現場の職人さんの平均年収が300万台なんて話が出る事を考えると、どこかに無理があります。

続く


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2013.02.06 Wed
 これを読み、こいつは自分の未熟さを、正当化しようとしてると思う方も居るでしょう。完璧な仕事をすれば、このような問題は発生しない筈だと。確かに技術的に未熟な部分もありますし、設備もお粗末です。自らの課題に対しての精進は続けていくつもりですが、ここで問題提起したいのは、そもそも完璧な仕事をする必要があるのか?それに見合う料金を頂けているのかという事です。

 事故車の修復は、車の様々な部位に触れます。ですから鈑金職人は車全般に渡る広範な知識と技術、作業に伴う各種資格が必要とされます。一通りの作業を覚えるには、最低5年の精進が必要でしょう。一人前の職人になっても、新素材や新構造の車に合わせての継続的勉強が必要です。楽な業務でないのに平均収入は低く、長時間労働で不足分を補うしかありません。

 鈑金工場の経営者も同様です。パチンコ屋を建てれるくらいの投資をして、リスクに見合う収益を得ているのか。個別では儲けている方も居るでしょうが、それだって高が知れています。業界全般で見て、投資額に見合う収益を確保してるとは言い難いです。

 本来は貰えるべき料金が貰えないのは、損保に押さえられてる為という主張があります。確かに指数の整合性への疑問もありますが、的を外してる感じです。というのも殆どの鈑金屋さんが、保険対応の方が率が良いと思っています。余分に貰っているところに、文句を言うのは変です。損保でなく、生活者(エンドユーザー)から貰えていないのが真相と思えます。

 年末年始の特番で、大間のマグロ漁師が取上げられました。あれを見ると、大変な職業だと感じます。苦労して獲ったマグロが、築地で何千万もの値が付くのも当然と思います。でも鈑金職人も大変ですよ。質は違うが、マグロ漁師と遜色ないです。事故車の修復には、単純な部品取替え作業が殆どありません。作業には必ず、調整や加工が付随します。職人のセンスや経験に、作業精度が大きく左右されます。

 素人が簡単に真似できない難しさがある事を、業界として、生活者に正しくアピールしてきたのか?逆に安く早く上手く保証もバッチリと、生活者が錯覚するようなアピールばかりが先行して、自分で自分の首を絞めてきた感じがします。

続く


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