車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2013.01.30 Wed
 お客様と一緒に補修部を確認したところ、フード先端2ミリくらいに、薄らと黒い点の様なシミが見えます。光が当たると、反射で消えそうな気もします。パールベースの最下部に埃が付着し、透けて見えています。他にも3箇所ほど指摘されましたが、これはパールベースの粒子と思われます。他より粒が大きく見えます。こちらは、顔を近づけて観察しても、視力が悪いと見えないんじゃないかな。

 「塗りなおしてもらいたい。」どう返答すべきか迷いました。鈑金屋は修理技術と同時に、満足感を提供している側面もあります。お客様は明らかに満足していない状態ですから、クレームとして再塗装しようかな部品込み30万余の入金も滞ると思うし…短時間に様々な思いがよぎります。で結論として、「クレームでの再塗装は無理です。作業には追い金が必要になります。」とお答えしました。

 クレームとして請けてよい思いもありますが、直して当然と思われてるのが引っかかりました。保険対応で支給される修理費は、最高レベルの仕上りに対応するものではありません。はっきり言ってしまえば、そこそこレベルの仕上りに対応した金額しか支給されません。貰える金額が決まっていても、職人根性で必要以上に頑張ります。この辺りを理解してもらえないと、クレーム修理しても当然と思われるだけで、そこから何も生まれません。

 先日も単純なFrバンパーカバー取替で、新品カバーを加工しました。スポイラーとの間に、部分的に隙間があるとのクレームです。部品に調整の余地がゼロです。新品部品の取付け穴を削り、微妙に位置をずらしての対応です。作業するのはかまわないが、作業の対価の請求を、どうするかで悩みます。正直に、新品部品の加工料金を項目計上したら、大概のアジャスターさんは勘弁してくれと言います。

 現場作業者としての立場から言いますと、仕上りレベルを一段引き上げる事は、感覚的には倍の手間を掛ける覚悟が必要です。新品パネルに色を塗るだけでも、1パネルで30万だ40万だという世界が現れます。車格に関係無く、クリヤー塗布だけでも1パネル10万以上を請求できないと、採算ベースに乗らないんじゃないかな。軽自動車なら全損ばかりで、仕事が無くなります

続く


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2013.01.23 Wed
 業界内の話題に、業務内容に比べ収入が低いというのがあります。一説では、40歳で300万台の平均年収リペゾウの親父の世代では、自動車鈑金屋は花形職種です。大卒月給1万円の時代に、ハンマーで1叩き100円と言われ、週刊誌で採り上げられた事もありました。いつの間にか、お金と縁の無い職種になりました。

 プロ野球選手の平均は、4000万近いです。トップ100人に絞れば、軽く億を超えます。お金が全てではありませんが、夢があります。鈑金塗装業界のトップ100人の平均年収、どのくらいでしょう?最低でも2000万は超えていてもらいたいなぁ。世の中、うなるほど稼いでいる人達が沢山いますので、鈑金業界のテッペンまで上り詰めても、金銭的には大した事ない感じです。何故こんなにも、お金に縁が無い職種になったのかを、リペゾウなりの観点から話します。

 我々は、事故車を原状回復させるサービスで収入を得ていますが、原状回復とは、どのような状態なのか。どこまで戻せば原状回復と言えるのか?現行の料金体系は、自研指数を中心構成されていますが、指数に明解な仕上り基準は表記されていません。仕上りレベルを引き上げれば、作業量は増加します。ゴールの位置は不明確なのに、料金は一定範囲内で定まっています。

 下記の写真は、昨年末に修理した二台の損傷部です。Aは高級外車、Bは国産1BOXです。フードパネルの損傷状態は似たりよったりですが、請求金額の差は大きいです。

A ベンツ フード 凹み      B ヴォクシイ フード凹み

 Aはフード鈑金塗装の2項目で15万円。Bは保険対応で、フード鈑金塗装の2項目で7万3千円。両車とも仕上りレベルに対しての要求は平均以上に高く、休日出勤で上塗り作業です。平日に、腰を据えての作業は無理。請求金額の少ないB車の方が、手間が掛かりました。

 A車は納車半月後に、間に入っている業者さんから電話です。顧客宅に寄ったところ、現在も仕上りレベルに問題無く、お客様も大変に満足しているとの話でした。ホッとします。

 B車は塗装後、外注でコーティング処理をしてもらいました。磨き屋さんが、「水銀灯の下で散々見たけど、何処を直したか分からなかった。」と言ってくれましたが、納車3日後に、「塗装が変だ。」クレームの電話です。とりあえず寄っていただき、一緒に実車を確認しました。

続く


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2013.01.16 Wed
 数十年前、諸先輩方から、「良い仕事をすれば、クレームは発生しない。」と言われました。時代も上り調子で、皆さんも意気盛ん。自分はといいますと、技術は未熟だし、年齢的にも文句が言い易かったと思います。よく怒られました当時は、俺も頑張ってクレームゼロを目指そうと考えます。

 それから10年経ちますと、クレームは年に1件あるかという状況になりましたが、何か変だぞと感じます。より良い仕上りを追求するが、安定しません。その日の体調や気分でも、品質が上下します。天才かと思う日もあれば、これは不味いだろうと思う日もでます。納期等の制約もあり、全てを納得できるレベルまで手掛けるのは無理。不本意な状態での納車も多々ありますが、何故かクレームが発生しません。

 何故かと考えるうちに閃きました。仕上りアップでクレームが減ったと思ったが、それは単なる思い込み。お客様が言わないだけ。美味い物を食べても更に美味い物を求め、味に満足すれば、もう少し値段が安ければと思うのが人。ならば俺のやった仕事に対し、何の不満も無い事はありえないその日からは、クレームを如何にして集めるかがテーマになりました。是非クレームを頂きたいという葉書を出した記憶もあります。

 もう10年以上、毎日が忙しいか、どうしようもないほど忙しいか、どちらかの日々です。繁盛店を作ったと自負してますが、他社より良い仕事をしてるとは思いません。ただクレームへの接し方については、何処よりも優っていた筈。クレームをくれたお客様に感謝の念を持ち、言い分に1分の共感があれば、喜んで受け入ます。結果として、クレームを断った記憶がありません。

 クレームが多いほど、俺の会社は繁盛する。暇になる事は絶対に無い。だからクレームは断らないが信念でした。それが昨年末、2件のクレームをお断りしました。信念を翻す行動です。外から見る以上の葛藤があり、言いようの無い不安を感じてます。

続く


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2013.01.09 Wed
 前回の続きです。

(運) 「お客さんを送り届けて運賃を貰い、ありがとうと言われて、更にポチまで貰うと嬉しいし、仕事が楽しくて楽しくて。で、もっと頑張っちゃうわけです。」

(リ) 「なるほど。」

(運) 「で、頑張ると、客層が変わります。」

(リ) 「えっ!客層が変わるって、何の事ですか?」

(運) 「例えばですね、駅で待機している時、乗ってくるお客さんが、これがまた良い人なんです。良い人ばかり乗ってくるから、売上も更に上がります。客層が、目に見えて良くなってきます。」

(り) 「マジっすか?」

(運) 「ほんと、いい人しか乗ってこないです。頑張ってる人が報われるように、世の中はできていると思います。」

(リ) …

  実際にあった話ですが、どう思います。話の前半は生産性を上げるとか、接客の微妙な心得とか、理屈で理解できます。でも後半の話を、理屈だけで説明できますか?偶然に乗り合わせた人が、皆さん良い人ばかりというのは不自然です。理屈づけも可能ですが、かなりの無理がでます。

 このような状態になった時、昔の人は「お蔭様で」と言いました。仏教では「他力」と呼びます。人は皆、基本的には自力で頑張ります。集客も生産性も労務管理も、何から何まで、自らのスキルアップで問題解決を図っていきます。各種のセミナーは盛況で、コンサルタントの方々も大忙し。でも問題解決への道は、他にもあるよう感じます。



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2013.01.02 Wed
 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。年明け早々に何を話そうかと考えまして…昨年暮れに、タクシーの運転手さんから聞いた話しを披露させていただきます。自分だけが聞くのはモッタナイ、そんな話です。対話形式で書きます。運転手さんは(運)で、リペゾウは(り)です。


(運) 「同僚が100人程いますが、実は私、10年連続で社内一番の営業成績を上げています。」

(り) 「凄いですね。でも全員が同じテリトリー内で、勤務時間も似たり寄ったりでしょ。何故Sさんだけが、売上が多いんですか?他の方とは、何処が違うのですか?」

(運) 「それは、意気込みが違いますよ。」

(り) 「意気込みだけで、売上って変わります?」

(運) 「そりゃぁ変わりますよ。例えば、タクシーの待機所は沢山あります。何処で待機するかは自由ですから、この時間は駅の南口、この時間はヨーカドウとか、こまめに、お客さんの多い場所に移動します。」

(り) 「なるほど。研究した訳ですね。でも他の方も似たような情報を持っているだろうし、同じように移動する方もいるでしょ?」

(運) 「そりゃぁいますよ。だから次は、お客さんを乗せたら、如何に効率良く送り届けて、待機所に戻るかですね。」

(り) 「なるほど。沢山のお客さんを運ぶほど売上も上がりますから、効率が大事になってくるわけですね。」

(運) 「でも、お年寄りを乗せた時は別ですよ。」

(り) 「どういう事ですか?」

(運) 「お年よりは動きが遅いでしょ。モタモタとしてるから早く降りてくださいなんて言ったら、もう駄目です。緊張してしまうと、尚更に動きが悪くなります。口に出して言わなくても、心の中で思っただけで伝わります。雰囲気が伝わってしまうから駄目です。」

(り) 「伝わるんですか?」

(運) 「不思議な事に伝わります。特にお婆さんは要注意です。だから逆にニコニコしながら、足元に気をつけてね、ユックリと降りてくださいねと言うんです。そうすると運転手に迷惑をかけちゃいけないと思って、一生懸命に動いてくれるから、結果として早いです。」

(り) 「なるほど。勉強になりました。」

(運) 「それだけじゃないんですよ。暫くすると、指名が入ります。この前の方が親切だったから、同じ方に来てもらいたいとね。」

(り) 「凄いですね。」

(運) 「で行くでしょ。そうすると、来てくれてありがとうと言われて、運賃を貰って、更にポチまで頂く訳です。」

(り) 「えっ、お小遣いまで貰うんですか。そりゃぁ凄いな。一月単位で考えると、馬鹿にならない額でしょ?」

(運) 「けっこう、美味しいですよ。もう何年も昼飯に、自分の金を使った事は無いです。」

(り) 「ほんと凄いなぁ。」

 ここまでの話にも感心させられましたが、心底驚いたのは、この後の話です。背中がゾワゾワするというか、えらく興奮しました。

続く


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