車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2010.11.24 Wed
 尖閣諸島事件に端を発した日中関係の緊張が続いています。少し前に中国本土での対日デモを見まして、いろいろ考えさせられました。

 尖閣 デモ  正しいと思いデモっているんだろうな

 グーグルの中国本土からの撤退事件なんてのもありました。情報統制され閉塞状態のまま、世界と付き合っていけるのでしょうか情報を可能なかぎりオープンにし、個々が自ら取捨選択できる状態こそベストだと思いますが、上に立つ人達から見ると不安なんでしょうリペゾウごとき愚かな大衆は指導しなければと使命感に燃えているのかも … 

 何処の世界でも似たような構図があります。板金業界も同様で、一見は情報が豊富なように見えますが、かなり意図的に操作されている部分もあります。たとえば、この修正機でないと正確には直せない、なんて話もそうです。自分の道具に愛着を持つのは理解できます。私もそうですから。でも世界が狭い。世の中には様々な道具や材料、使用法があり、自分の体験できるのは、その中の極一部だけでしかありません。

 修正機という名称こそ付いていますが、セットするだけで勝手に直してくれません。直すのは職人さんです。どんな修正機を使用しても直せます。それが職人です。ただ種類により、修理方法等の得手、不得手があります。どのタイプの損傷や修理方法でも、万遍なく得意とする修正機はないです。Aタイプなら5分で直せる損傷に、Bタイプだと1時間掛かる事もあります。損傷状態や修理方法が変わると、AとBが逆転したりします。

 趣味でなく商売として板金塗装業を営んでいます。時間が大切ですから、自社に入庫する車種や、最も求められる修理方法を考慮しての道具選びです。どのタイプを購入するにしても高い買い物です。床式が安いと思ったら大間違いです。単品パーツは安くても、性能を発揮するには、800万前後の総投資額が必要です。

 周囲に惑わされず冷静に自社を分析し、正しい選択ができれば、高額の投資も安い買い物です。私と仲良しの職人さんの1人は、ユニバーサルタイプのジグ式修正機を選びました。彼のも、年中フル回転の状態です。経営的な制約がなければ何種類もの修正機を揃え、入庫車の車種や損傷状態、修理方法に応じて使い分けられたら理想です。



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2010.11.17 Wed
 損傷部位が固定されている事が、フレーム修正するための必要条件です。折れ曲がったフレームを引き出す為、油圧機器等を使用して数トン単位の力を前方に掛ければ、後方にも同等の力が掛かります。力に耐えられず前方に位置移動すると、フレームは折れたまま必要とする固定できるかどうか = 直せるかどうかに繋がります。

 お話しした事があるかもしれませんが、車は部位によって強度に差があります。意図的に弱い部位と強い部位を組み合わる事で、必要とされる各種の性能を発揮します ありえない話しですが、仮に車を一本の鉄棒に例えます。強度が全て一定の折れ曲がった鉄棒を伸ばすなら、片端を固定し、もう片一方の端を前方に引くだけです。もちろんテンションを掛けた状態で細かい作業はしますけど単純です。

 強度が場所により様々な状態の折れ曲がった鉄棒ですと、全く話しが変わります。前方に引けば、弱い部分から伸びます。折れている部分の強度が一番下なら問題ありませんが、通常は加工硬化により、更に増強します。また、実際の車の場合は複数の鋼板をスポット溶接で繋ぎ合わせていますから、繋ぎ目の変形による伸びも考えられます。

 折れている部分のみを局部的な加熱により強度を下げる手法もありますが、よほど繊細な熱管理をしないと、鋼板の組成自体が変化します。形は同じでも硬いだけで粘りの無い、粗悪な鋼に変化します。この手法で修理した車のフレームは亀裂が入り、場合によってはボッキと折れます長く商売している方なら、一度は見た事があるのではないでしょうか。

 強度の変わる部位毎に補助固定を入れ、計測しながら前方に引きます。奥から順に、寸法が出た部分から、動かないよう補助固定具を固めます。下の写真は、当社で使用している、クィックリーという名称の補助固定具です。上部のアタッチメントを取り替えてサスペンション固定もできますし、個別に特定の方向にだけ動くようセットする事も可能です。

 キューブ 固定2  クイックリー 3 

 ジグ式修整機のブラケット部を見て開発されたのかなと、個人的には思います。車両下部全体に及ぶ仮想基準面を作り、高さを固定する事が可能になる優れ物ですから、何組かは用意したい道具です。




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2010.11.10 Wed
 専門店として看板を掲げている以上、何処の板金工場でも一通りの作業はできると思います。ただ、抱える職人さんの持ち技や工場の設備によって、得手、不得手な分野がでてきます。私の会社の場合、一番得意な分野は床式修正機による多面引き修正ですかこの手法の特徴は、復元できる範囲の広さです。お客様方が一番の理解者で、ありがたい事に、次々とフレーム修正が必要な損傷車が持ち込まれます。長年に亘り修整機がフル回転の状態が続き、場数をふみますから、なおさら得意になる側面もあります。

 キュブ 多面引き  キューブ 固定1


 フレーム修正作業は、計測、固定、引き作業による修正が一つの流れで行なわれます。この中で一番に華やかなのは、もちろん引き作業です。折れ曲がったフレームやフロアが復元していく様子は、確かに見応えがあります。でも我々プロが重視するのは、計測作業と固定作業です。特に固定作業に関しては、気を使います。

 計測作業により損傷状態を数値化します。各計測ポイント毎に3次元での数値を計り、正常な状態からの変化を把握。修正計画を立てます。動かしたい部位と動かしたくない部位に判別し、動かしたい部位も方向によって分けます。上に動かしたいのか、前方なのか、左方向なのか、あるいは、それらを複合した方向なのかを部位毎に、事前に決めます。

 続けて固定作業に入ります。時間が最も掛かる作業です。確実に固定されているからこそ、引き出す事が可能です。引き作業自体は難しくありません。上の写真の車の場合、固定作業に3時間要していますが、引き作業は30分程度で終了です。正確に計測して正しい固定ができた段階で、もう結果が見えます。フレーム修正は終わったも同然です。

 固定には様々な手法がありますが、持っていると便利なのが補助固定具です。写真の作業でも多用しています。今日は補助固定具について書く予定でしたが、前置きが長くなり過ぎました来週に続けます。



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2010.11.03 Wed
 久しぶりに、仲良しのレッカー屋さん、オートレッカーの榊君の所に遊びに行きました。車両置場にいた彼の元に近づいていきますとこれは一体なんだろう

 カットムーブと榊君   一体どんな事故に遭ったら、こんな状態になるのか

 初代ムーブですけど、文字通り、切り刻まれた状態です。興味深深で観察します。細部まで、よく見ると …

 カット ヒンジ  カット ストライカー 
 
 ドアヒンジやロックストライカーが切断されていますが、切断面はニッパーのような物でカットしたみたい感じです。でも、ここでドア本体が支持されていますから、凄く硬く、頑丈に作られている部分です。どんな工具で切断したんだ気になる、気になる


 実はこれ、地元消防署のレスキュー訓練に使用された車だとの事。消防隊員は、自動車事故で車内に閉じ込められた負傷者を、短時間で救出する訓練も、しているようです。エンジンカッターや大型のニッパ状の工具等を使用して行なうみたいです。工具に習熟していないと不味いですし、どの部分をカットするかで作業時間が変わります。隊員さん達は、事故現場での瞬間的な判断を要求されますから大変だと思います。

 榊君、事故現場で警察官や消防隊員の方と一緒にいる機会が多いです。限られた予算の中で、訓練用の実車の確保に苦労していると聞いてから、定期的に様々な解体車を無料提供しているそうです。実際の事故現場で、どんな車種に遭遇するか解りません。できるだけバラェティーに富んだ車種を持ち込みたいので、現在は1BOXを探しているようです。

  長年お付き合いしていたけど、こんな側面があるなんて知らなかったな自分じゃ言いにくいだろうから、俺が代わりに言ってやろう 榊君、偉いぞ




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