車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2010.05.26 Wed
 今回のトライアルで発生した問題点の中で、最も気にかかるのは[色の再現性]です。 トライアルで使用したR2の完成写真です。

 R2完成右側    R2完成左側
 
 右側を溶剤型塗料ダイヤモンドで、左側を水性塗料オニキスで塗装しています。左右異なった種類の塗料を使用していますが、同一のカラーデーターベースを使用しています。塗りあがった状態では同じ色になるはずですが、結果は異なっています。写真では解り辛いと思いますが、左側のほうが青白いです。バンパを基準にすると、色差が解り易いです。

  使用したデーターのカラーカードで確認しますと、右側はピッタリと合い、左側が色振れしています。このR2は社用車ですから問題ありませんが、シビアなお客様の車なら塗り直しです。 なぜ色振れしたのか?原因は様々に考えられますが、今回のケースでは0.01グラム単位での計量ミスが濃厚です。

  ダイヤモンドは原色中に樹脂が混入されていますが、オニキスでは原色と水性樹脂が分離した形で供給されます。使用時に規定量を混ぜ合わせます。原色中に水分が入っていないため、溶剤型塗料と同等の保存期間(60ヶ月)があり、冷間時の凍結もありませんが、原色の濃さはダイヤモンドの3倍くらいあります。原色一滴で色味が大きく変化しますので、データー調色時の最低単位150グラムの指示がでています。 150グラムでも、原色によっては0.1グラム単位での混入ですから、50グラムですと0.01グラム単位の正確性が要求されます。そよ風程度でも0.1グラムくらい秤が動きますから、実務を考えると困難です。

 50グラムあれば、軽自動車のバンパ一本くらい塗れます。今回のトライアルでの使用量は20グラム以下。希釈済みの水性塗料は数日で使用不可の状態になり、残りは廃棄処分です。1Lで1万円以上(原色によっては6万円台)の高い塗料です。やたらに廃棄できませんし、廃棄量が増えれば環境にも悪いわけです。となると…従来のダイヤモンド使用時のようにカラーデーターだけに頼る調色は、現状のままでは難しいという事ですか対策を考えんと…



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2010.05.19 Wed
 課題1のフェンダパネルのブロック塗装で基本的な流れを見てもらい、今回の研修のメインデッシュ、課題2左右フェンダパネルのスポット補修です

 左側   右側 

 左右とも、ほぼ同面積の板金作業がおこなわれ、パネル面積の30%前後のサフエーサーが塗布されています。左側を水性塗料のオニキスで、右側は溶剤型塗料のダイヤモンドで塗装します。作業観測してもらい、作業時間の差を計ります。時間を特に意識せず、通常の工場作業のペースでおこないます。

 左側塗装    右側塗装  

 何人もに見られながらの作業は緊張します。一発勝負で許容範囲内に仕上げなければ安全を考慮し、手馴れている溶剤型塗料ダイヤモンドでの右側塗装から始めます。

 オンラインで取得したカラーデーターから50グラム調色し、ガンは岩田のW100H2、パターン1.75で吐出量2回転に設定。ボカシ塗装の範囲が狭いので手元エアー圧を2.0に落とし、ミストを拡げすぎないよう注意します。ボカシ部分に薄く馴染みクリヤーを塗布、続けてサフェサー部分をベースコート2回で色決め、エアブローしながら隠蔽をチェックしたらボカシ作業です。ベースコートを馴染みクリヤーで割り(配合比は秘密)ボカシぎわに軽く2~3回、徐々に拡げながら塗装。色差をなくしたら終了です。我ながら手際よくでき満足です

 続けて水性塗料オニキスでの左側塗装です。同じカラーデーターをオニキス用に変更し50グラム調色、ガンは岩田のLPH80、パターンも吐出量も全開。手元エアー圧は2.0に設定します。水性塗料のガン設定マニュアルは未完成なので、微妙なガン捌きが要求されます。トリガーの半クラッチ操作は頻繁で、このあたりは溶剤系塗料とは明らかに異なります。隠蔽力が高いですから、軽く2回吹くだけで色決め。1回ごとにダスターガンでエアブローし、艶びけするまで乾燥させます。湿度が60%近くまで下がりましたから、ストレスなく乾燥します。続けてブレンダー(オニキス専用のボカシ剤)を使用してのボカシ作業。左側も順調に作業終了です

 作業観察していたアジャスターさんの1人が「たいして作業時間の差がないです」と言います。マズイもっとノンビリやるつもりだったのに… 簡単そうにやっているけど、難しいことしてるんだから誤解しないように

 今回のトライアルで水性塗料に対しての自信がつきましたが、同時に幾つかの問題点が塗料の全面切替に入る前に対処法を考えなければ。次回はトライアルで気付いた、水性塗料の実務状の問題点について語ります。
 
まだ続く


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2010.05.12 Wed
 連休明け最初の日曜日を利用し、アジャスターさん達と水性塗料の研修です。テーマは水性塗料の作業性で、作業観測するための課題を二つ用意しました。一つ目はフェンダーパネルのブロック塗装です。

 ワゴンRフェンダ  作業観測風景

 工場での通常の作業どうり、インターネットによるオンラインでの調色データー取得から始め、クリアー塗装までの一連の流れを観測してもらいました。

 オンライン調色  比較

 カラーカード   計量  

 水性塗料導入の板金工場は少数ですし、実作業を観測させてくれる職人さんとなると更に少ないです。失敗すると恥ずかしいですからね
 ご同業でも見た事のない方が大半ですから、噂ばかり先行し実態が解らない側面があります。中には「うちは環境を考え水性塗料を導入したから、塗装料金5割増で請求する」と主張する工場もあるみたいです。もちろん修理金額の設定は各工場の自主裁量の部分です。周囲から「高い、安い」と言われる必要は無い訳ですが… ちょっと考えてみましょう。

 スーパーやホームセンターに行くと[体に良い][環境に良い]等の言葉が氾濫しています。時代のトレンドはヘルシーやエコです。洗剤一個でも同じ値段なら、パッケジを見て、環境に対する負荷が少ないと思われる商品を購入する人が増えています。多少高くても、説明に納得できれば購入すると思います。でも5割増しでも、同じように購入してくれるでしょうか? 

   どんな商品でも、相場の5割増しの価格で消費者に購入してもらおうと思ったら、メーカーは大変な労力を要すると思われます。商品を認知し承認してもらうための宣伝広告費は莫大でしょうし、理解してもらっても「高いから買いません」と言われるかもしれません。冷静に考えれば、相場の5割増しの価格設定なんか、恐くてできません。お客さんがいなくなります。
 「うちは最高の仕事をしている」とか「高額な設備をしている」とか「水性塗料を使用している」とかの主張で、相場から大幅に高額な料金設定ができるのは、保険会社が交渉相手だからでしょうが、保険金の原資は保険契約者から集めたお金です。保険契約者=エンドユーザーですから、消費者サイドの意向を無視するような料金設定では長続きしません。
 書き出しの予定から話しが逸れてしまいました。この話しの続きはまたの機会にして、来週は水性塗料の技術的な話に戻ります。

続く


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2010.05.05 Wed
 5日はゴールデンウィーク最終日です。私の会社も世間並みに連休を取りました。今日のブログは4月末日に書いた物を予約配信させていただきます。
 4月は、天候不調が続いた事も一因と思いますが、事故が例年に比べ多かったようで、最後まで現場はフル回転でした。立会いに来るアジャスターさんも忙しい方が多かったです。
 私どものような板金屋は、事故で生計を立てている側面もありますが、社会全体を考えれば、事故は少なければ少ないほど良いです。組合活動の一環として、仲間と年に4回ほど、街頭での交通事故撲滅運動の広報活動に参加していまますが、事故は簡単には減りません。
 事故した方と話しますと、心が痛む時が数多くあります。若い頃は、修理作業自体は好きでしたが、人の痛みを金銭に換えているような気がし、この仕事がイマイチ好きになれませんでした。今は、人の痛みを癒す仕事をしていると思い、誇りを持って日々、励んでいます。
 6日の連休明け、どんな感じでしょうか?我々は多少ヒマくらいで、ちょうどいいです。



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