車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2010.03.31 Wed

 板金職人は、車全体のボデー構造を熟知する必要があります。どの部位に、どんな補強が入っているのか等を、外側から見ただけで判別できなけれは、一人前とは言えません。神様でないから100%正確は無理ですが、±5%くらいの誤差の範囲で解らないようでは未熟です。

 ボデー構造を熟知する事で事故時の損傷波及の様子を正しくイメージでき、より正確な事前見積を作成する事が可能になり、より正確で効率的な修理をする事に繋がります。

ミラ フロント骨格1  ミラ フロント骨格2  

在庫車のフロント骨格部位です。フロントバンパの裏側には強固なリインホースメント(骨)が入っています。フロントバンパだけで吸収できるような微小な衝撃は、この部分で止まります。

バンパリインホースメント後方はフロントサイドメンバー(フレーム)ですが、先端が蛇腹状に加工されています。フロントバンパだけで吸収できない衝撃が入力した場合、この部分が押し潰される事で衝撃を吸収します。蛇腹状のエクステンションと呼ばれる部位より後方のサイドメンバーは、内部にリインホースメントが組み込まれた強固な2重構造です。 

ミラ フロント骨格3 ミラ フロント骨格4

 フロントサイドメンバー中央部です。フロントタイヤが付いている裏側あたりの位置です。切り抜き穴が作られ、下部も折れやすいようV型に加工されてます。内部のリインホースメントも、この位置でカットされ相対的に弱いです。先端で吸収できない衝撃は、この部分が折れる事で吸収します。

フロントサイドメンバーの付け根の部分です。生存空間を確保する為、大変に強固な造りです。内部にもリインホースメントが入り、部分的には4重構造です。一昔前の別体フレーム型RV並みの強度があります。

 エンジンルームの中だけでも、強固な部位と相対的に軟弱な部位が交互に組み合わせられてます。損傷が発生するのは軟弱な部位ですが、折れたフレームを修正する時には注意が必要です。相対的に弱い部分で折れました。しかし折れた事により加工硬化が発生します。折れ目ができる事で、弱かった部分の強度が上がります。つまり事故時は、強・弱・強で,弱が折れますが、修正する時は強・強・強ですから、単純に前方に引くだけで、損傷部が復元すると思うのは浅はかです。

 正しい引き作業は、寸法だけではなく形状も復元させます。100%は難しいですが、70~80%くらいは復元できる筈です。寸法はでているが形状は潰れたままだとしたら、関係ない他の部分が動いている可能性が高いです。フレーム修正も奥が深い世界です。おいおい、気が向いた時に語っていきます。 



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2010.03.24 Wed

 先月から週一台ペースで事故車の骨格修正をしてます。フレーム修正機がフル回転持っていて良かったなと感じる今日この頃です。

 ブーン修正風景   ブーン フレーム折れ                                                                                                                                    修復前の右フレーム真ん中でボッキリ

 様々な事故車を年間500台以上修理する仕事を数十年も続けますと、事故車の外観を見ただけでフレームが折れているかどうか、折れているとしたら何処で折れているのか、直感的に解ります。車両のある部位から、ある方向に衝撃が入り、部品を押し潰したり変形させたりしながら、力が消滅していく様子がイメージとして頭に浮かびます。このイメージが上手に作れるようになると、フレーム修正は格段に進歩します。

 私にフレーム修正を教えてくださった先生は、外観を見ただけで車両各部の寸法を「あそこは何ミリ、ここは何ミリ狂っている」と正確に当てました。計測器で測りますと当時は驚いたものです。いつの間にか私も近いところまで来ました。フレーム等、車の骨格の折れる位置は、だいたい決まっています。何故、似たような位置で折れるのかです。

 タント クォータカット   タント クォータカット2

 上の写真は、左クォーターパネルを取替作業中の車です。アウターパネルを切り剥がした状態で、普段は見えないインナーパネルが丸見えです。外観を形作るアウターパネルは一枚板ですが、インナーは違います。二枚重ねや三枚重ねになっていたり、切抜き穴があいていたりの複雑な構造です。車両各部とも内部は似たような状態です。車全体に同じ強度を持たせているのではなく、強度の高い部分と弱い部分を意図的に組み合わせ、作られてます。

 弱い部分をクラッシャブルポイント(衝撃吸収部位)と呼び、この部分が折れたり、破損する事で衝撃を吸収する様に設計されてます。強い部分だけですと、衝撃が乗員に全て掛かり、車は走る棺桶に変わります。安全に走行する為には弱い部分も必要です。

 十年ほど前からトヨタのGOA等,新骨格基準の車両が販売され始めました。内部の骨格構造を見ていくと、本当に凄いな、よく考えられているなと感心します。 昨年、レッカー屋さんでタントの事故車を見ました。エンジンが室内に押し込まれているような大破の状態で、横から見るとエンジンルームが半分に縮まっています。この様な状態でも全てのドアが普通に開き、室内の生存空間は確保されていました設計者の苦労が偲ばれます。




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2010.03.17 Wed

 先週末、私も所属している[静岡県車体整備協同組合]の東部3支部(沼津、富士、富士宮)合同研修会がありました。自社のHPやブログでお世話になっているビジョンサプライの中村社長が講師で、集客をテーマに3時間以上の熱弁を振るっていただきました。3回連続の研修の2回目ですが、中村社長から「[組合活動と会員各社の業績を連動させる事が可能」との指摘を受け、30代のメンバーを中心に盛り上がり、活気あるひと時を過ごしました。

 BS研修風景2   BS研修風景1

 殆どの業種に同業者団体があると思います。自動車板金塗装業の場合は各都道府県に車体整備協同組合があり、各組合の連合会として、国交省認可の日本自動車車体整備協同組合連合会があります。私が組合に加入したのは20年余前ですか。沼津支部では、長老さん達に次ぐ古参の一人になり、数年前から役も承っています。

 入会当初、連合会所属の組合員は一万社以上で、なかなかの興盛を誇っていました。十年余前の公取からの勧告により、損保さん相手の団交ができなくなったのを境に減少し始め、現在では六千社くらいですか。地域によっては正常な活動が困難なところまで衰退した組合もあります。幸い我が地区は、面倒見の良い役員さんが続いた事で大幅な減少は免れました。

 脱会していった方々は「組合に所属していてもメリットが無い」と言います。近場の同業者に加入を勧めると「何か得な事でもあるのか」と言われます。組合とは何でしょう。 

 組合は[自分達が所属し恩恵を受けている業界が、少しでも良い方向に向かうよう、皆で力を出しあう場]です。組合に所属して何を貰うか、何のメリットがあるかをを考えると同時に、周囲に何を与えるかを考えるべきです。

 人生の中で20代から30代にかけては、人から恩恵を受ける事に、必要以上の照れや恥ずかしさを感じる必要は無いと思います。堂々と周囲から頂けるものは頂いて成長すればいい。私もそうやって成長しました。しかし、ある程度の年齢、遅くても40過ぎたら、周囲から貰う事より、与える事を考え始めましょう

 40ヅラ、50ヅラぶら下げて、「今度は何をくれるんだ」これでは恥ずかしいです。私も数十年間、商売をしていますと、お金の有難味や価値を痛感させられる事が多々あります。先に不安を感じるから損得にも敏感になります。でもお金が全て、損得が全てではありません。先の見えない未来の事で、一つだけ、はっきりと解っている事があります。私も、このブログを読んでいる皆さんも、何時かは死にます。人は死にます。古代エジプトでは、死者は黄泉の国を司る神の前に立たされ、二つの質問をされて裁かれると聞きました。

 「あなたは幸せでしたか?」 「あなたは人を幸せにしましたか?」と

 

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2010.03.10 Wed

 社用車のカーゴのバンパが割れました。通常でしたら、迷わず取替ですが、MSAYANの技量アップの教材として修理する事にしました。

 

カーゴ修理前  む  渡邉誠也様_似顔絵

 

 使用する工具はPB用の溶着コテのみです。何種類もありますが、一番古い物は、ウレタンバンパが出回りだした頃から使いはじめています。もう20年くらい経つのでしょうか。光陰矢のごとし今回は小型のコテを2本使用します。

 

溶着コテ 

 

 このコテの先端は、PBが溶融する寸前の温度になるよう、設定されています。バンパの亀裂部分をクリーニングした上で合わせ、亀裂部分にコテを当てます。亀裂部分の両サイドを溶かしながら付け合せ、少しづつ溶着していきます。

 

溶着作業   溶着後局部

 

 しっかりと素材中心まで融かして溶着させないと、軽く力を加えただけで真二つに折れます。強度に不安のある場合は、中心にピンを埋め込んだりします。作業に習熟してくると、溶着させただけで必要充分の強度がでます。慌てず慎重に作業していきます。単純な作業の繰り返しですが、難易度は高いです。 亀裂部分の裏表から溶着して、完全に一体化されたら、サンディングし塗装作業、組み付けて終了です。

 

溶着後   カーゴ修理後   復活

要所要所でチェックを受けながら、殆ど1人で作業させました。仕上りも許容範囲内です。下地を作るまでに半日以上かかっています。もう少し手際を良くして、時間短縮(半分に)できれば一人前ですか。職人が育つには10年が必要です。本人も、育てる方も忍耐です。

 

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2010.03.03 Wed

 一時の寒さも和らぎ、暖かな日が続いています。今年も春が、すぐ其処までやってきました。ここ数年、春と言えば,頭に浮かぶのは蛇マニアO君の話です。O君は一見は普通の好青年ですが、蛇が大好き。自宅の冷蔵庫に、蛇さんご愛用の冷凍マウスが入っているという強者です。 冷凍マウス売っているんですね。買う人もいるんですね。

 冷凍マウス   サイズ2-2.5cm 国産の新鮮、安心マウス

 2年前の今頃、O君から「白い蛇を見た事ありますか?」と聞かれ、「あるよ。自宅近くの畑でも見たな」と答えると、真剣な顔で「次に見かけたら捕まえください」と …そんなの嫌に決まっているじゃないですか。「やだよ」と言ったら「無傷で捕まえたら5万円あげます」

 よく聞いたら、青大将の白蛇(アルビノ)は20万近くで売買されたりするみたいです。今は景気悪いですから相場も落ちていると思いますが、一目で違いが解る個性は価値があるという事でしょうか。それにしてもマニアは凄いです。都道府県別に青大将を集めている方もいるようですし。

 蛇に触れるなんて、考えただけでも鳥肌が立ちます。でも一万円札が5枚も地面に落ちていたら…拾います。

白蛇 

 昔から,白蛇は縁起がいいと言われています。母は神様の使いだと言っていました。私が恙無く、大病もせず元気でいられるのも、40年前に白蛇を見たからかもしれません。でもO君の話を聞いた日から、畦道を歩くと周囲を物色している自分に、ふと気づいたりします。また出会う日はあるのでしょうか。



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