車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2016.10.05 Wed
 「小規模鈑金工場の経営者へ」

 バブル期を境に車体整備総需要の減少が続き、ひたすた右肩下がりの状態です。改善される傾向もありません。逆に今後は、事故率の劇的な減少が予想されています。市場が縮小し、競争が激化する中で、悩みに悩んでいる工場経営者は多かろうと思います。同業者の勉強会の内容を見ると、「特色のある技術を掴み、生産性を上げて」などというのが大半です。20年前なら正論ですが、今から間に合うのでしょうか?経営者なら、先にやるべき事が山ほどあります。

 積極的に設備投資をして、圧倒的な生産性や独自の技術力を得て、それを武器に生き凝っていく工場はあると思います。でもそれは、限られた一部の工場だけです。職人として道を究めたい欲求はありますが、敢えて狭い道を進むよりも、広い道を進む方が楽です。経営業は環境適応業です。環境が変わったのだから、自社も変わるしかないです。これを読んでる鈑金工場経営者の方々に聞きます。何故、縮小し続ける鈑金塗装市場に拘るのですか?

 最初に話しましたが、自分はガチガチの職人です。他の仕事を、やった経験はありません。自動車鈑金塗装業しか知りませんが、この仕事を自分なりにやり抜いて分かった事があります。鈑金塗装業で稼ぐのは難しいです。整備屋さんやスタンドが参入しても、専業店と同レベルになるには、相当の覚悟と投資が必要です。逆に鈑金屋が、整備や車販を始めるのは、さほど難しくありません。心理的な抵抗さえ取っ払えば、明日からでも始められます。大概の資格は持っているし、基礎知識や基礎技術もあります。投資額も、僅かで可能です。1年もやれば、専業店と肩を並べられます。何故やらないのですか?

 この提案は、一時もてはやされたミニデーラー化とは違います。あくまで根っこは鈑金屋です。鈑金塗装という技術を中核にして、関連業種に進出しながら営業展開をして、本業の新規顧客を創造できる循環体系を作ります。。我々は高いアドバンテージを、最初から持っています。例えば中古車業やレンタカー業に進出した場合ですと、段違いの低コストの展開が可能です。勝負するなら、有利な場を選択するのが当然です。そこで力を蓄えて、本業に回帰します。

 リペゾウも、3年前の保険の料率改定までは、鈑金塗装のみで生きていく覚悟でした。料率改定による保険仕事の減少と、スバルのアイサイトの発表を見て、方向性を変えました。BPは自社の最大の強みとして維持していくが、同時に関連業種に進出していく。最後は営業力勝負の時代に入ったから、営業力強化に集中した投資を考える。基本方針を定めました。今までやらなかった事を始めますから、最初は楽じゃなかったです。体中に発疹ができたりしましたが、正しい選択ができました。

 設備投資も人員増強も行わない前提で計画実行し、飛躍が見込める状態にまで持ち込めました。これを読んでる経営者の皆さんも、踏み込んでみたら如何ですか。行動する前から諦めている方が、あまりに多過ぎます。経営は学問じゃないから、知識など、さほど役にたちません。机上の勉強も無意味です。踏み込んだ人だけが、自分なりの核心を掴みます。考えてから動くのではなく、動きながら考えます。明日も今日の延長で、同じ様に過ごせるとは限りません。いざという時に備えて、早めの準備が必要です。


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2016.09.28 Wed
 「時代の流れとBP業」

 大概の人は保守的で、ペースを乱される事を嫌います。明日も今日の延長で、恙無く生きていければと願います。リペゾウも同じで、できれば新しい事を始めたくありません。これが本音です。しかし業界の現況を観察すれば、そんな悠長な事も言ってられません。自動車鈑金塗装業界の現況のイメージを、客観的に見て文章化すれば、こんな感じです。

 断崖絶壁の崖に渡された丸木橋の真ん中で、嵐に遭遇しました。足がすくんで動けません。とりあえず動かないでいれば、なんとか今日明日は過ごせそうです。でも段々と風が強くなってくる気がします。天候が回復しないかなぁと、ひたすら願います。しがみついてる丸木橋を見たら、思っていたより腐っています。時々、ボロボロと欠けて、谷底に落ちていきます。少しづつ丸木橋が、細くなっていきます。この橋は平気かな?早く風が止まないかなぁ?そんな事を考えながら、ひたすらしがみついています。時間ばかり過ぎていきます。

 前に進むか後に下がるか、それとも下に落ちるか。大きな選択肢は3つしかありません。どれを選ぶのも自由です。しがみついてる丸木橋が痩せ細っていく状況下では、そこに留まっているほどリスクが増大します。時代の流れが早くなっていて、一昔前に10年を要した変化が、動き出せば3年で現実化します。這いずってでも前に進むか、または後ろに下がるか、決めなくてはならない時期です。

 この先を完璧に見通すのは不可能ですが、劇的に変化すると思えます。最も影響が大きい要因は、自動運転の現実化です。自動運転の最終目的は、事故削減や渋滞解消に因る社会インフラの効率化です。まだレベル2に入ったばかりですが、技術的にはレベル3も可能です。レベル3が始まると、事故は激減します。もちろんいたずら傷とか自然災害とかで、仕事が全て無くなるわけではありませんが、市場規模が3割程度まで縮小すると予想してます。

 故障しないし、事故も起こさない。車庫入れまで勝手にやってくれる車ばかり走り始めたら動かないから来てという電話もありません俺の腕を見ろと言っても、凹んでる車もありませんそんな時代に向かって、世の中全体が動いています。鈑金屋として生き残っていくつもりなら、今から準備が必要です。仕事量を確保する為にも、関連業種への進出は不可欠になります。コア事業に関連事業を絡めて、太い柱に入替る事が必要です。

 実際にレベル3に入るには、モラルや法の整備、そしてセキュリティの革新が必要です。特に問題となるのは、セキュリティ関連でしょうか。テロの標的には最適ですから、世界的な統一規格が必要です。修復車の再検査とか、認証制度全体も見直されると思います。様々な利益団体の意向が絡み、調整も必要ですが、時間があるようでありません。各国の自動車産業の命運が掛かります。主導権を握る為の競争が、激化していく筈です。予想以上に早まる可能性も捨てきれません。

 BP業の大きな流れは以上ですが、これ以外にも小さな、ニッチな流れが沢山出来る筈です。アンテナを張り、前向き捉えていけば、鈑金塗装の技術を活かして事業拡大していくのも可能と思えます。時代の流れに乗れるかどうかで、相当な差がでる事だけは確実です。現実に、今この瞬間に、前に一歩を踏み出せるかどうかが全てです。眺めているだけの方は、橋と一緒に落ちます。価値観は様々です。好んで落ちるなら、それはそれで良いと思います。でも本音はどうなのかと、心を見つめ直す時期です。

続く
 
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2016.09.21 Wed
「自動車鈑金塗装(BP)は実用商品」

 吉牛に1千円持って行けば、腹一杯になるまで食べられます。牛丼と味噌汁、それにサラダに生卵も付けてと、フルコースです。たまに行く、予約が必要なフレンチやイタリアンですと、地元の沼津で、飲み代別で5千円~8千円。東京辺りに遠征する時は、1~2万くらいですか。自分の行動の範囲内だけでも、ディナーを食べるに、上下で20倍くらいの価格差があります。

 洋服も同様です。ユニクロで2千円くらいで売っているシャツと似た品が、ブランド品なら2万します。衣食住の分野では、上下の価格差が10倍以上、場合によっては100倍以上も珍しくありません。BP業ではどうかと言いますと、上下の価格差が殆どありません。「掘っ立て小屋でバンパ脱着してると5千円だけど、最新鋭の工場でバンパ脱着すると5万円なんだ。」と、こんな話は聞きません。全国どこでも一律料金で、地域や工場の格による価格差は、あっても2倍ないです。

 どうしてかと言いますと、一般道を走ってる車というのは、基本的には実用品です。骨董品や芸術作品が走っているわけではありません。トイレットペーパーと同じ扱いの実用品です。1ロール1万円のトイレットペーパは、普通の店頭には売っていないです。それと同じで、実用品を修理するBPは実用商品で、どこで修理しても、請求料金は似たりよったりです。

 実用商品だけど高額商品である為に、自動車保険制度が発達しました。修理代が高額で、自腹でポンと出せる人は少ないです。保険に加入しといて、いざという時に備えるわけです。但し、高額でも実用品ですから、付加価値まで請求できる余地がありません。飲食で高級店に行きますと、料理そのものよりも、店構えとかサービスの質とかに圧倒されます。単純に美味しいだけではなく、スペシャルな時間を提供されます。それに対しての料金を支払うわけで、料理だけへの請求金額ではありません。

 付加価値を請求できないとしたら、華美な接客スペースや過剰設備は無駄です。経営者の自己満足の世界です。同業他社より、ちょっと綺麗で清潔でと、その程度で充分です。余分なコストは掛けず、損益分岐点を下げます。大相撲に例えれば、8勝7敗で充分という会社が理想です。大きくて立派な会社でないと集客できないのでは?そんな事はありません。人は様々な理由で動きます。集客方法は多様です。業界誌等で発信されるステレオタイプに惑わされず、自分で判断する事が大切です。

 業界を見てると、13勝以上でないと厳しいと思える会社が多いです。1敗2敗が、致命傷になりかねません。設備等に高額投資をしていれば、さらに生産性を上げて収益を確保しようと考えます。付加価値を認めてもらえないので、他に手段がありません。年中無休24時間操業できる仕事量を集め続け、こなし続ける事が前提になります。

 勝ち続けなければいけないとなると、経営者も辛いです。儲かっても不安が大きくて、現場の待遇改善まで気が回りません。仕事内容から考えれば、週40時間労働で平均年収400万越えは妥当です。現場が残業しなければ稼げないとしたら、そこに未来など見えません

続く


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2016.09.14 Wed
 根っこはガチガチの職人ですが、鈑金工場経営者としての側面もあります。何も無いところから始めたので、最初に行ったのは、担保提供できる土地の確保です。これに10年掛かりました。想定外の事もありますが、だんだんと時機が近づいて来てるのを感じます。

 昨年度からは、新しい経営計画に沿った新展開を始めました。自社の資産をコントロールし、従来と異なるポイントに集中投資です。現状の設備と人員のみを利用して行う計画を実施して、昨対比130%を越えました。まだ伸びます。会社の外見は変わりませんが、中身は変わりました。経営者としても、かなりの自信が付きました。経営を実践と独学で学びましたので、捉え方は個性的ですが普遍的でもあると思っています。今週から暫くは、リペゾウから見た業界観について語ります。

 先ず最初のテーマは、「料金体系から考える自動車鈑金塗装業」です。

 ごく普通の生活者から見た場合ですが、鈑金塗装(BP)の料金は高いです。ちょっとバンパーを擦ったくらいで、なんで3万とかなるの?こんなふうに思う方は多いと思います。でも現場職人の立場からすると、これだけ手間暇を掛けて気も使って、それで3万だけ?なんですね。かなりギャップがあります。価格面から考えた時に、BPという商品は、大きな特徴が2つあります。BPは高額商品でありながら、同時に実用商品という側面を持っています。

 暫く前に名古屋に遊びに行った時ですが、初めて足ツボマッサージを体験しました。中国人のお姉さんが60分間、パンツをチラ見させながらマッサージしてくれます。これで幾ら取られるかと思えば、4千円もいきません。安いと思います。リペゾウが同じ時間だけ集中して仕事したら、パンツは見せんけど、1万は請求します。BP業の時間工賃は、他業種の3倍はあります。これだけ時間単価を請求できる商品は、数少ないと思います。高額商品である理由を列挙します。

1 本格的にBP業を行うには、高額の設備投資が必要です。
2 本格的にBP業を行うには、各種の工場資格が必要です。
3 BP業に従事する職人は、各種の国家資格が必要です。
4 BP業に従事するAランクの職人を育てるには、少なくとも5年以上の経験年数が必要です。

 1千万以上の設備投資をしているBP工場は珍しくないし、国家資格を5~6個持っている職人さんも珍しくありません。真正面からBP業に取り組もうとすると、相当の資金力と覚悟が必要になります。安くは売れません。

 まぁここまではリペゾウが説明しなくても、誰でも分かります。BP業を経営していくうえで問題になるのは、もう1つの側面です。実用商品であるという事です。

続く


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2016.06.29 Wed
 組合の側面サポートで、即座に思いつくのは2つです。1つは、生活者に対する啓蒙活動です。自動車鈑金屋に、業界の底上げを目的にした同業者組合がある事など、生活者の大半は知っていません。資格取得を推進する事で社会貢献してきた事実を、周囲に発信すべきと思います。こんな歴史を持った団体は、他にはありません。官公庁や生活者に対してのアピール活動が必要です。

  2つ目は3年以上前から進めてきた、会員全社のホームページ作成です。今年度中に終わらせたいです。ホームページを作って集客できるのか?などと言う方がいますが、根本的な勘違いをしています。ホームページだけで集客できる時代は、とうに過ぎ去りました。今はホームページすら持っていないの?と言われる時代です。客商売しているなら、持っているのが当然です。先ずスタート台に立つという事です。

 業界の様々な問題をの根本を探っていくと、自立できていない事業者が多いのに驚きます。安易に何かに頼って、仕事を集めようと考えます。自らを高めて営業力をつけていなければ、関連業種の食い物にされるだけです。現実を受け入れて肚が座れば、別の世界が見えてきます。集客自体は、さほど難しくありません。看板も設備も、テクニックも必要ありません。身一つあれば充分です。

 無理せず致命傷にならない程度の投資額で、良かろうと思う事から、とりあえずやってみる。駄目だったら引き下がり、上手くいきそうなら更に突っ込む。深刻に考えずに、ゲーム感覚でやる。見えない未来を見ようとすれば、時間ばかりが過ぎて時機を逃します。最初の1歩を踏み出せない方に、2歩目や3歩目はありません。自力で踏み込みます

 これを何度も繰り返していると、大きな流れを、肌で感じるようになってきます。その流れに身を任せれたら、もう暇にはなりません。次から次へと、オートマチックに仕事が集まってきます。これは不思議ですが、実際にそうなります。自分が暇を求めないかぎり、死ぬまで忙しい状態が続きます。

 思いつくままに書くうちに、また話が逸れてきました。修正します。長く組合活動に関わる中で、多くの仲間ができました。どの方も自分とは違う側面を持ち、刺激を受ける事が多々あります。たぶん相手も、同様に感じています。未だに成長している実感があり、2~3年も経てば、昔は幼稚だったと思う事の繰り返しです。同じ場所に留まっているように見えて、自身の目線は変わっていきます。螺旋階段を登りながら、楽しくやってます

 考えが纏まってきました。来週の委員会、なんとかなりそうです。お付き合い、ありがとうございました ( ・ω・) ㌧

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