車の再生に命をかけるボディワークス・アルファの板金日記 ≪毎週水曜日 20時に更新≫

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2017.04.19 Wed
 30年以上前の話題で、サフから隣接パネルまで何センチあればボカシ塗り可能か?なんていうのがありました。どんな色も30センチあれば可能という答えが、一般的だったと思います。どんな色でもといっても、当時は色味のはっきりした色ばかりです。3コートパールすら、未だありません。修理したからといって新車に戻るわけじゃないぞと、お客様に平気で言える時代です。塗料はチープだったけど、気も楽でした最近は面倒な色が次々と出てきてでも職人としては30センチあればボカせると言いたいですよね。今回はボカシ塗りのコツについて語ります

 上手にボカシ塗りするポイントは、塗料を乗せ過ぎないことに尽きます。一度にドカンと載せないで、薄塗りで丁寧に塗り広げていく。下記写真はスバル37Jボカシ塗りの記録です。ガンは岩田のLPH80。エアー圧1.8弱.。吐出量は全開設定。ガンのトリガーは半クラッチ状態で、吹き付け面はセミウェットが基本。とまりの良い水性塗料では、パラパラとミストをかけていく感じです。これで充分に塗れます。

フオレスタ― ボカシ塗り (1) 

 隣接パネルとの幅は23センチほど。許容範囲の仕上りにはギリギリです。

フオレスタ― ボカシ塗り (2) 

 サフ部を覆うように、カラーベースを軽く2回連続塗り。塗り込むのではなく、ミストをかけながら広げていく感じです。

フオレスタ― ボカシ塗り (3) 

 乾燥後に一回り大きく、更に1回塗り。これでカラーベースの塗装は終わりです。がっちり塗り込むと、塗装部分だけが白くブチ状になります。2Kだとリカバリー可能ですが、水性では駄目です。拭き取って塗り直した方が賢明です。

フオレスタ― ボカシ塗り (4) 

 必要量のパールベースに、カラーベースを5%混入し、ボカシ塗り専用塗料を作ります。

フオレスタ― ボカシ塗り (5) 

 ボカシ塗り専用塗料で、カラーベース部を覆うように1回塗り。

フオレスタ― ボカシ塗り (6) 

 更に範囲を広げて、2回目。これでボカシ塗り終了です。

フオレスタ― ボカシ塗り (7) 

 ボカシ塗り範囲を覆うように、、パールベース1回塗り。更にパネル全体を覆うよう2回目。ムラが気になる場合だけ、乾燥後にムラ取りで軽く1回。

フオレスタ― ボカシ塗り (8) 

 乾燥後にクリヤーコートして終了。まあまの出来栄えです

フオレスタ― ボカシ塗り (9)  

 最後に一言です。塗装の基本は薄塗り最低限の膜厚で、必要とされる外観や対候性が発揮できる塗装を目指します。


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2017.04.12 Wed
 マツダのソウルレッドに触発されてですか、各メーカーからカラークリヤーを使用した新色が出てきました。ボカシ塗りで苦労している職人さんも多いと思います。リペゾウも最初の頃は、勝手が分からず苦戦しました。台数をこなした今では楽勝です。この塗装のコツは、焦らず丁寧に、薄塗りを重ねていくことです。ホンダのR565Mのボカシ塗装の作業記録です。使用塗料はRMのオニキスです。

 先に必要量のカラーベースとカラークリヤーを調色し、準備しておきます。今回はカラーベース50グラムとカラークリヤー100グラムを作りました。希釈率は基準の5割増し。かなりシャブシャブです。

R565M (1) 

 カラーベースを必要量だけ、スプレーガンに入れます。

R565M (2) 

R565M (3) 

R565M (4) 

 周辺にミストが飛ばないよう、エアー圧を通常より1割程下げます。吹き付け時の塗膜状態がセミウェットになるよう、トリガーは半クラッチ状態を維持します。サフコート部を隠蔽するように、焦らずに丁寧に塗り広げていきます。

R565M (5) 

 最終的な完成塗膜の膜厚が厚くなるので、1回毎に軽く熱を掛けて水分を飛ばします。送風乾燥よりも加熱乾燥の方が適していますが、パネル温度の注意が必要です。

R565M (6) 

 カラーベースは3回塗りで終了。ここからボカシ塗装に入ります。

R565M (7) 

 ガンに残っているカラーベースの半分量のカラークリヤーを追加して、ボカシ塗装用の混入塗料①を作ります。

R565M (9) 

 しっかりと、かき混ぜます。

 R565M (11) 

 カラーベースを隠蔽するように、徐々に塗り広げていきます。 

R565M (12) 

 2回塗りで終了です。軽く加熱して水分を飛ばします。まだカラーベースが透けてみえますが、これで充分です。

R565M (13) 

 ガンに残っている混入塗料①と同量のカラークリヤーを追加して、ボカシ塗装用の混入塗料②を作ります。 

R565M (14) 

 混入塗料①の塗装範囲を隠蔽するよう、混入塗料②で2回塗りします。

R565M (15) 

 必要以上に塗装面が温まってきた様子なので、送風して冷やします。吹き付け時にセミウェットになる状態を維持させます。

R565M (17)

 ガンに残っている混入塗料②と同量のカラークリヤーを追加して、ボカシ塗装用の混入塗料③を作ります。 

 R565M (16) 

 混入塗料②の塗装範囲を隠蔽するよう、混入塗料③で2回塗りします。

R565M (18) 

 ボカシ塗り完了です。

R565M (19) 

 透かして見ても大丈夫です。。最初から最後までトリガーは半クラッチ状態で、吹き付け直後の塗装面が、セミウェット状態であるように維持します。トリガーを引ききってウェット状態になるほど乗せてしまうと、ブチになりボケません。

R565M (20) 

 混入塗料③の塗装範囲を隠蔽するよう、カラークリヤーで1回塗り。エアー圧は通常に戻します。軽く熱を加えてから、カラーベース内のメタリック粒子が露出し目立つ部分がないかをチェックします。更に範囲を広げ、もう1回塗装します。

R565M (21) 

 カラークリヤー塗装終了です。 

R565M (22) 

 シャブシャブの塗料で薄塗りといえど、合計11回塗り重ねています。内部に籠った水分が抜けきるよう、じっくりと熱を掛けます。

R565M (23)    

 乾燥後に通常クリヤーを上塗りして完成です。

R565M (24)  

 腰を据えて作業すれば、それほど技術的には難しくありません。後日のクレームの心配もありますから、通常塗装の倍の時間を掛けるつもりで取り掛かる方が良いと思います。塗装範囲を、今回の半分くらいまで縮めることは可能です。

 
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2017.04.05 Wed
 暫く前の自研センターニュースで、リペゾウの得意な筆差しが、シールアップ工法という洒落た呼び方で載っていました。一般的な筆差しと違うのは、仕上り時の質感や耐久性が高く、場合によっては通常の吹き付け塗装と肩を並べます。

 シールアップ工法による処理例 1

 ワイヤーに接触してクリヤー層が剥がれています。カラーベースは綺麗に残っています。オリジナル塗膜を残したいとの要望で、シールアップ工法で修復作業をおこないました。

S660 シールアップ (2) 

 損傷部をクリーニングし、足付けしてから周辺部をテーピングします。

S660 シールアップ (3)

 規定量の硬化剤を混入したクリヤーで、損傷部を2~3回、筆塗りします。

S660 シールアップ (4) 

 強制乾燥させてから、周辺テープを剥がします。筆塗りした部分だけ、周辺塗膜より盛り上がっています。

S660 シールアップ (6) 

 ブツ取りカッターを滑らせて、必要以上に盛り上がったクリヤー塗膜を削り落とします。


S660 シールアップ (7) 

 ちょっと高めで作業を止めます。

S660 シールアップ (8) 

 2千番の水研ぎペーパーで、軽く研ぎます。盛り上がってる部分だけにペーパーが当たるよう、硬質の当て板を使用します。

S660 シールアップ (9)  

 水研ぎ後に磨いて終了です。よほど注意深く見ないと分からないレベルに仕上がりました お客様にも、たいへん喜んでいただきました。

 お預かり時間は3時間。施工料金は¥9720-(税込)です。

S660 シールアップ (12)



 シールアップ工法による処理例 2 (カラーベースからの作業)

 隣接車のドアがぶつかり、傷が下地まで達しています。オリジナル塗膜を残したいとの要望で、シールアップ工法で修復作業をおこないました。

シールアップ工法 (1) 

 普通に見たら、誰も気づかない仕上りレベルです お客様にも、たいへん喜んでいただきました。

 お預かり時間は2時間。施工料金は¥8640-(税込)です。

シールアップ工法 (2) 



 シールアップ工法による処理例 3 (応用編)

 再塗装してある部分をぶつけました。パテの割れ目から水分が入り、腐食が進んでいます。錆びないように、そして低価格で見栄えを良くしたいとの要望です。シールアップ工法の応用で修復作業をおこないました。

シールアップ工法の応用 モビリオ (1) 

シールアップ工法の応用 モビリオ (2) 

 錆の部分だけ、ベルトサンダーで削り落とします。

シールアップ工法の応用 モビリオ (3)

 脱脂してから、パテワイパーでパテを一発塗り。

シールアップ工法の応用 モビリオ (4) 

 生乾き状態のパテに、硬化剤を入れたサフを、刷毛で厚塗り。はみ出た余分なサフを、スキージーでカット。

シールアップ工法の応用 モビリオ (5) 

 軽く熱を加え表面が固まってきたところで、シールアップ工法スタート。下地が透けるくらいの方が、出来栄えは良です。

シールアップ工法の応用 モビリオ (6)  

 もう腐食は進みません。作業前と比べると、見栄えも良くなりました。これで充分という方には、お勧めの修理です。お客様にも、たいへん喜んでいただきました。

 お預かり時間は半日。施工料金は¥12960-(税込)です。

写真では簡単そうですが、意外と難しいです。この記事を読んでるのが同業者の方なら、お客様の車でやる前に、先ず練習してください


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テーマ:修理 - ジャンル:車・バイク
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2017.03.29 Wed
 アクセルとブレーキの踏み間違えで、新聞沙汰になる交通事故が多発しています。事故直後の報道を見ますと、自らの踏み間違いを認めるドライバーは少なく、車の異常を訴える方が圧倒的に多そうです。このパターンの事故が発生した場合にどうなるかと言いますと、まず事故車両は近くの系列デーラー等に運び込まれます。後日、メーカー・警察・消防等の関係諸団体立ち会いのもと、原因追及の為の分解調査がおこなわれます。調査結果で車に異常無しとなった場合ですが、運転者に対し調査費用の請求がおこなわれます。出向者の出張料とかも、全て支払うこととなります。

 事故まで至らなくても、車の挙動が変だというクレーム申告も多いようです。実際に異常が発生している場合もありますが、大半はドライバーの勘違いです。次から次へと新しい機能が組込まれる状況下で、販売店も購入者も、完璧に対応できていません。曖昧な理解のままASVを使用しているドライバーは多く、それが原因の事故も発生していると思えます。

 近い将来、事故原因はASVの異常行動だと主張するドライバーが出てきても、何ら不思議はないです。原因追及の為の分解調査をしたら、過去にフロントバンパーを取替えていました。どこで取替作業したか調べたら、5年前にリペゾウがやっていました。リペゾウさんはバンパー取替時に必要なセンサーの補正作業を請求をしていないけど、もちろん作業はしていますよね?作業写真やデータ等の記録はありますか?人身が絡んだ事故ですし、あくまでドライバーは車の異常行動が原因と主張していますから、徹底的に調べないと不味いですから。こんなふうに問い合わせが入ってきたら皆さんだったらどうします。


 ステレオカメラ スバル・アイサイトver.3、ガラス&ライナー脱着

 ステレオカメラの配線を取り外した状態で電源オンすると、チェックランプ点灯しました。配線を付け直すと消灯し、正常に戻りました。この後で追随走行すれば自動補正されます。試運転してみたら、システムは正常に機能しているようです。でもスバルさんに予約を入れて、再調整をお願いしました。メーカーマニュアルに、作業が必要と記載されています。自社のスキャンツールでは対応できないし、税込で2万ほど修理費用がアップするのも仕方ないです。

 メーカーマニュアルに必ず再設定しなさいと記載されているという事は、システムに係る部分に触れたら、もうメーカーは責任を取りませんという事です。責任は作業者に掛かってくると思うべきです。そうだとすれば、もうチェックランプが点灯しないから良いというレベルの問題じゃなくなります。人身が絡んだ事故になれば、一発で会社は潰れます真剣に対応しないと不味いです。現行法ではASVシステムを構成する部品全てが、重要保安部品に指定されているわけではありません。点検記録簿の保管義務も2年ですが…このような点も、今後どうなっていくのでしょうか?

 日車協で進めている車体整備士の再教育制度は、実務に携わる作業者は年1回集まって、全員が最新の情報を取得し、業界の底上げを図ろうというものです。何も知らないで作業するのが、最も危険です。お客様を守ると同時に、自社も守ります。国交省もバックアップしてくれるという話になっています。これを読んでいる非組合員の方も入会して、一緒に勉強していきましょうよ。過去に様々なしがらみがあったとしても、世代交代が進む中で、組合の雰囲気は別物に変わっています。

 

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2017.03.22 Wed
 前回の続きです。高度化車体整備技能講習講師研修会参加の成果について、一部ですが発表します。先ず最新のASVに組込まれている電子制御システムの概要から話します。

 電子制御システムは、3つのパートに大別されます。外界の情報を取り込むセンサーと、取り込んだ情報を識別し判断を下すコンピューター、そしてコンピューターの判断を実行に移すアクチュエータです。どのパートも重要ですが、最初にセンサーから入る情報が誤っていれば、全てが狂います。全てのセンサーが正常である事が、システムが正しく機能する前提です。ですから修理等でセンサーを脱着したら、取付位置や取付角度が規定値かどうかを確認する必要が発生します。

現在市販されているASVの場合では、前後バンパーや左右ドアミラにセンサーが組み込まれています。今後市販される車も、同様の位置に多くののセンサーが組込まれると予想されます。Googleカーの様にルーフに付いているなら良いのですが、バンパーやミラーとなると修理時の脱着頻度は多くなります。脱着度にセンサーの再設定が必要とメーカー修理書には記載されています。全て専用機器を使用した計測作業です。その意味合いをどう捉えるかが重要です。

 メーカー修理書で各センサーの取付位置や取付角度が定められていますが、それほど厳密な設定が必要なのかという疑問が湧きます。実作業に携わっている職人の眼からすると、車って、けっこうアバウトです。体重40㌔の女性ドライバーと体重100㌔の巨漢ドライバーでは、乗り込んだ時点での車の姿勢は全く違います。乗車定員5人も乗ったら尚更です。センサーの取付角度は乗車人数や路面状況等によって、かなり変化します。という事は角度が多少ずれても、機能は正常に作動するよう、かなり大きな許容範囲が設定されていると推測されます。

 搭載されているコンピューターも単純な計算処理をするのではなく、学習機能が組込まれています。許容範囲内なら、自律的に補正していく筈です。そうでなければ、各センサーにレベライザーを組込む必要があります。車両全体が捻じれるような大破修理時ならともかく単純な脱着作業でも、センサーの再設定作業は必要なのでしょうか?目視確認で充分な気がします。取付角度が3度もずれていたら、目視で間違いなく識別できると思いますが

 この程度の事は、カーメーカーの設計者は全て把握している筈です。全てを分かった上で、単純な脱着時でも、必ず再設定しなさいと修理書に記載しています。電源オフで脱着作業すればチェックランプは点灯しないと思いますが、それでいいというわけでは無さそうです。何か理由がある筈です。

続く

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